ここでは公的施設の代表としてあげられる3つを紹介していきます。公的運営施設である、「特別養護老人ホーム」「介護老人保健施設」「介護療養型医療施設」の3つは、介護保険3施設とも呼ばれており、民間運営施設と比較すると、費用面が比較的安価のため希望される方も多くいます。しかし誰でも入居できるわけではなく、介護度や健康状態によって入居できる対象の方が決められています。また地域によっては、待機者も多数おり、なかなか順番がまわってこないケースもあります。入居については、入居申込順に入居できるわけではなく、健康状態などに応じた優先度順で入居となるため、入居できる目安が立てづらいといった不安な点もあります。一つずつご紹介していきます。
目次
特別養護老人ホームとは
特別養護老人ホームとは、65歳以上の原則要介護3以上の方が入居できる施設で、常時介護が必要で在宅生活が困難な高齢者を対象としています。費用も比較的安価なことから人気が高く、エリアによっては待機者も数百人待ち状態となっています。運営は社会福祉法人や自治体が行っています。居室タイプは大きく3タイプあり、2名~4名の「多床室」、一人部屋の「従来型個室」、10人前後を1ユニットとして、リビングなど共有スペースを設けた「ユニット型個室」があります。居室タイプによって料金設定も異なり、個室であればその分料金は高く設定されています。施設内では食事や入浴、排せつなど、生活するのに必要な介護サービス全般を受けることができます。
介護老人保健施設とは
介護老人保健施設とは、65歳以上で要介護1~5の方が入居できる施設で、在宅復帰を目指すリハビリ施設になります。そのため原則入居できる期間は3ヵ月~6ヵ月程度でになります。イメージとしては在宅と施設の中間にあたります。例えば高齢者が骨折や脳梗塞などで入院し、急性期治療が終わって病状が安定し、入院治療の必要がないが、すぐの在宅復帰は難しいという方の場合です。リハビリや機能回復がメインの施設のため、特別養護老人ホームのように終身利用はできません。特別養護老人ホームの待機待ちとして入居する方もいます。
介護療養型医療施設とは
介護療養型医療施設とは、65歳以上で要介護1~5の方が入居できる施設で、長期療養が必要な方を対象とした医療施設になります。実際に入居されている方の多くは、急性期治療を終えたものの寝たきりなどで在宅復帰が難しく、長期の介護や医療ケアが必要とされる方のため、要介護4~5の方が多いです。2012年から新設が認められておらず、施設数が減少しているため満床のところも多く、今の予定では2024年3月末で廃止となる予定です。2018年4月から「介護療養院」への転換が予定されています。
公的運営施設のため、民間運営地比べると入居条件や規制などハードルが高い側面はあります、入居を希望される場合には、各自治体窓口や施設に直接問い合わせて空室状況など確認していきましょう。また見学時には、入居されている方の雰囲気や、スタッフ対応も確認していきましょう。